ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2015.12.14 03:56新刊情報

「妻妾同居」というタブーは明治にはなかった


『大東亜論』「愛国志士、決起ス」が発売されたが、

巻末の「妻妾同居の時代」がまた誤解を生む元となるかもしれない。

 

NHK朝ドラ「あさが来た」でも、結局、史実通りに話を作る気は

ないようで、新次郎と妾との間に子が生まれる件は隠されている。

「妾を持つ」こと自体が視聴者の反発を招きかねないのに、

「妻妾同居」となると、もう畜生の仕業としか思われないだろう。

もっとも穏健な一般視聴者向けの朝ドラでは、「妾を持つ」展開は

タブーかもしれない。

 

けれども、小林よしのりが史実に基づいて、「妻妾同居」への憧れ

を描いたっていいじゃないか!

 

三浦瑠麗氏との対談のときも、わしを「九州の風土と男尊女卑」の

感覚が残るかのように誤解していたが、全面的に誤解でもない。

わし自身の中で、本音と建て前が乖離しており、その葛藤を公に

しながら、男女平等の方に舵を切ろうと努力している真摯な態度を

もっと評価してほしいものだ。

 

妻妾同居の時代」は、わしの本音をさらしながら、ただ懐古して

いるだけという虚しさを吐露している哀しい一本である。

女はわかってくれないだろうが、近ごろは男も分かってくれない

ほどの草食化が進んでいるのかもしれない。

けれどもわしは、あえて近代化した現代のタブーに触れてみた。

これを哀しいユーモアとして、読んでくれる読者がいることを

期待して。

 

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

次回の開催予定

第119回

第119回 令和6年 11/2 SAT
14:00~17:00

テーマ: ゴー宣DOJO in広島「原爆の悲惨さはなぜ伝わらないのか?」

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